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2013年6月

2013年6月20日 (木)

日中米の三角関係を心配するより、自信を持って日本文化を世界に発信すべきだ

◆日本はどうやって自国を守っていくべきか

米中首脳会談を受けて、日米中の三角関係の論議が起こっている。それは、首脳会談が、米中が互いを大国として認め合い、新しい関係を築き、世界を支配しようと言うものだと考えられているからである。危惧されているのは、米中が接近することで、日本が置いてきぼりになることだ。このことについて、安倍首相は、日米の関係は特別なもので、揺らぐことはないと発言している。
しかし、このまま日本の地位が低下し、中国の経済的軍事的な力が増加していったら、どうなるか分からない。日本があらゆることで、かやの外に置かれる事態も予想される。
その時、日本は、どうやって自国を守っていくのか。

日本が中国に軍事力で対抗するというわけにはいかないだろう。結局、経済的な影響力を高めることで、対抗するしかない。日本のとるべき手段は、技術開発と経済成長に尽きることになる。そしてもう一つ。クールジャパンと観光がある。こういうと、クールジャパンだの観光だのそんな小粒なことでは、経済成長できないし、日本を守れないと否定的な発言をする人がいる。しかし、日本を訪れた外国人の反応を見ると、日本の観光価値は、我々が考えている範囲を超えていることがわかる。この観光価値の本質にあるのが日本人の感性であり、これが、クールジャパンの源泉であろう。

◆日本文化の特別な価値に感動する外国人

日本人の美意識が生み出すものこそ、クールジャパンと呼ばれるものである。例えば「ワビ」、「サビ」という日本人独自の美意識は、今や、海外の多くの人々に理解されるようになってきた。日本人の美意識は、日本文化のあらゆるところに潜在しており、それが、日本を訪れた外国人に感動を与えるようである。
日本人の我々は、この日本文化の特別な価値を意外に自覚していない。日本文化は、日本人にとって、水や空気のような存在であるからであろう。逆に、外国人から日本のよさを教えられることがある。

この日本文化を生み出したのは、日本人の特別な自然観と感性である。先の「ワビ」、「サビ」に加え、近頃、「萌え」という感性がアニメ文化を生みだした。

◆美意識は、創造性の源だ

「ワビ」、「サビ」は、日本独自の新しい創造性を生み出してきた。「ワビ」、「サビ」は、日本人の繊細な感性と、物作りにおける、丁寧、精緻な仕事に表れている。これは国際的な信用にもつながった。さらに、この日本人の繊細な感性は、絶え間ない改善活動の源泉となったといえる。1980年代、QCサークルに代表されるあらゆる分野での改善の熱気は、最高潮に達し、日本の高度成長の原動力になった。

では、そこに「萌え」が加わって、どのような創造がなされるか、期待が集まる。

日本の美意識について、興味深い書がある。黒川 雅之著『八つの日本の美意識』である。同書は、日本の美意識として、「微、並、気、間、秘、素、仮、破」を示している。氏は、日本人が物事を判断する非常に大きな規範になっているのがこの美意識なのだという。
それは、身体の感覚に近い、心地よさともいうべき美意識だ。
さらに同書は、「日本人は美意識に生きている」「日本人は”美しさ・気持ちよさ”のために生きているのであって、・・・」と述べている。
「微、並、気、間、秘、素、仮、破」の詳細を読んで、確かにそうだ、と改めて感じ入るところがある。日本人の思考と物事の判断の根底にはこの美意識がある。そこから日本が世界に誇れる文化が生まれてきたのだ。

詳細は、下記の書を参照いただきたい。
黒川 雅之 著『八つの日本の美意識』
講談社 2006-07-22

いまこそ、我々は、あらゆる機会をとらえて、世界に自信を持って、日本文化を発信すべきなのだ。それが、経済のみならず日本の国際的地位を高め、国を守る原動力になる。

2013年6月 6日 (木)

21世紀は世界の日本化を目指すという大志が欲しい

◆低下が続く日本の国際的地位

このところ、日本の国際的地位の低下が続いている。日中、日韓、日ロなど、関係悪化は、その表れといえよう。
結局、日本にあるのは、経済という一枚看板であり、経済成長を続けることが、国を守ることに繋がるのである。

ところが、その経済成長に懐疑的見方が広がっている。失われた20年というほど長く続く停滞のためである。この間、様々な経済成長政策が行われてきた。科学技術の促進策、起業の促進策、規制の緩和などである。しかし、イノベーションはなかなか起こらず、新規の起業数より廃業数が上回るなどで、経済の停滞が続いている。一方、これまで日本経済の牽引者であった家電メーカーは、深刻な不況に陥っている。こうした状況で、アベノミクスが日本経済を成長路線に戻せるかどうかについて懸念を持つ人が多い。
アベノミクスは、結局、三本目の矢のイノベーションが起こせるかどうかにかかっている。

◆変化が加速する世界経済の中で、日本がとりうる選択肢

① ビジネス変化の加速に対応する方策を見付ける 

これまでの様々な政策、「科学技術基本法」「イノベーション促進」「起業の促進策」などは、ビジネス変化のスピードに対応できていない。
昔、お家芸といわれた、家電、半導体の各社が軒並み不振なのは、ビジネスの変化スピードについていけなかった結果である。日本を代表する、ソニー、シャープ、パナソニックなども、このビジネス変化にやられた組みである。

ところが、同じお家芸でも自動車産業は、クロックスピードが相対的に遅い業界である。ここでは、今だ日本メーカーは健在である。しかし、家電業界を他山の石として、クロックスピードの加速する中での、技術開発、能力開発、組織改革、サプライチェーン改革など、一段の努力が必要である。

② 加速環境でも競争できる部品や素材を強化する
クロックスピード加速分野でも、必須の部品(もの)がある。こうした部品には、汎用化されにくいものがあり、日本は強みを維持することが可能である。その開発は、深堀型の研究開発であり、日本が強みを発揮するところである。

③ クロックスピードが相対的に遅い分野に集中する
  新幹線、ロケット、ロボット、医療、介護、農業、エネルギー、環境などである。

④ 日本独自の分野に注力する
  伝統技術 伝統産業 コンテンツ制作、など、クールジャパン
と呼ばれる日本人の感性を生かせる分野である。これらは日本の観光産業を支える。

◆最も積極的な選択が「日本独自の分野」である

この④の日本独自の分野に注力というのは、どれだけ経済効果があるのかと疑問に思う人がいるだろう。しかし、これが最も積極的で、志が高い分野であろう。
それは、21世紀は、世界の日本化を目指すという大志に繋がるからである。

ドラッカーは、日本は「西欧の日本化に成功した」と賞賛した。こんどは、「西欧の日本化」でなく、「世界の日本化」である。日本文明を世界に広め浸透するということだ。日本文化にはそれだけのものが十分にある。資源が乏しい狭い国土に沢山の人間が生きてきたというモデルは、これからの世界が欲しがるはずだ。日本文化の神髄から生み出す独自の思想が、人口爆発、資源枯渇のこれからの世界を救う。クール、かっこいいなんていうだけではいけません。世界を変えるんです。

◆幅広い分野から独創が生まれイノベーションが輩出する社会を

よく日本人には独創性がない、集団に埋没して個性がない、製造業は強いが非製造業は弱いなどと言われる。これらは根拠なき偏見だ。アニメの宮崎駿、映画の北野武、音楽の坂本龍一など、非製造業分野でも世界的な評価を受けるような独創的仕事をしている日本人が輩出しているではないか。こうした天才的個人は、娯楽産業が比較的自由な分野だから現われているわけなのだ。規制と、出る杭を打つ現在のシステムを改めさえすれば、他の多くの分野から独創が現れ、イノベーションに繋がるはずである。幅広い分野から独創が生まれイノベーションが輩出する社会を創っていきたい。

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