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2013年5月10日 (金)

どうする日本!まるで絵に描いたような家電メーカーの敗北

◆加速する変化に弱い日本経済

前号のようにビジネス変化の加速が日本経済を蝕んでいる。
技術革新と市場競争が同時化し、しかも国際化したことで、かってないほど変化が激しくなった。

日本企業が目論んできた、漸進的な改善活動で市場競争で優位を維持するという戦略は、通用しなくなった。それは戦後日本を経済大国に押し上げた戦略の失効を意味する。

基礎研究から立ち上げてイノベーションに繋げようとする科学技術創造立国の目論見も、加速する変化には、対応しきれない。

日本経済は、じっくり時間をかけた変革には優れた力を発揮する。しかし、加速する変化には弱い日本である。

◆世界のイノベーションにヒントを求める

では世界のイノベーション事情はどうなっているのか。
このところ、米国発のイノベーションばかりが目立っていたが、ちょっと事情が変わってきたようだ。
あいかわらず、世界のイノベーション企業ランキングでは米国が優位にあるものの、アジア企業の上昇が目立ってきた。

その中で注目されているのがインド式イノベーションである。

それは、「ジュカード・イノベーション」と呼ばれている。
とにかく速いことがメリットだ。
ジュガードとは、ヒンズー語で「応急措置」のことであり、ものや資源などの制約があっても、知恵を絞ってなんとか問題を解決する、という意味らしい。

有名な例が、タタ・モーターズの「タタ・ナノ」である。インドの一般の低所得層にも手を届く価格(25万程度)で購入できるという驚きの車を量産した。とても実現不可能といわれたものを、成し遂げてしまった、「ジュカード・イノベーション」の代表例である。

参照  Wikipediaのタタ・ナノの稿

そして、このイノベーションの「ジュガード精神」というのが、今、シリコンバレーでも話題になっているという。シリコンバレーというのは、イノベーションのメッカという程、革新的アイデアの宝庫である。近年のイノベーションはシリコンバレー発ばかりが目立つ。
ここで、インドのジュガード精神に関心が集まっているということは、シリコンバレーも曲り角に立ったといえよう。

◆日本もジュガード精神に学びたい

その1 Seek opportunity in adversity
その2 Do more with less
その3 Think and act flexibly
その4 Keep it simple
その5 Include the margin
その6 Follow your hear

参照 http://jugaadinnovation.com/
2013.5.9閲覧

これらが、現代の競争の激しい不安定な環境下で企業が革新し成長するのに必要な要素として注目されているのである。何か、日本が戦後の焼け野原から、奇跡の復興を遂げた頃の精神と似ているような気がする。日本は初心に戻って出直すべしということではないか。

◆気になるシュンペーターの言葉

もう一つ気になることがある。それは、かつてシュンペーターが、述べていたという次の言葉である。
「女王エリザベス一世は絹の靴下を持っていた。一般に、資本家の功績というのは、女王にもっと絹の靴下を供給することではなく、それを女子工員たちの手が届く場所に ― 着実に労力を減らした見返りとして ― 持ち込んだことにある。資本家のやりかたは、偶然ではなく機械の恩恵によって、
少しずつ大衆の生活の水準を引き上げる。」
参照 著者英エコノミスト編集部『2050年の世界』p311文糞春秋(2012.8)

シャープやソニーなど、日本の家電メーカー各社は、エリザベス女王(ハイエンド)にもっと絹の靴下(高品質テレビ)を提供しようとした。女子工員たち(ローエンド即ち、新興国の低所得層)に恩恵をもたらすという、資本家のやり方を忘れていた。それが、今日の苦境の要因のように思える。
これに対して、シュンペーターの言葉に適っていたのはサムスンだ。新興国向けの低価格テレビを開発し、その市場を押さえるという戦略で力をつけ、今や、先進国の市場にも進出が急である。

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