無料ブログはココログ

« 日本の悲惨な近未来予測『エコノミスト』に反論できるか? | トップページ | 「三本の矢」の成否は失われた20年の総括にかかっている! »

2013年4月13日 (土)

アベノミックスに立ちはだかる人口減少の重圧

◆いくら経済成長を図っても人口減少で元の木阿弥

デフレを脱却し、景気回復を図ろうというアベノミックス。今のところ、人心を明るくし、株の高騰、円安に向かっている。輸出企業の業績も急回復が期待されている。
これは、アベノミックスの三本の矢の、金融と財政の期待効果である。これから問題になるのが、経済成長政策である。経済が成長しなければ、金融と財政による効果も一時的なものに終わってしまう。金融と財政の効果があるうちに、日本を経済成長路線に乗せることができるかどうかが、キーポイトになる。

◆どうやって経済成長を図ろうとするのか

20年という長きに渡る経済停滞の間も、様々に経済成長策が打ち出された。しかし、いずれもうまくいかなかった。それが「失われた20年」である。

今回、聞き及んできたところでは、成長が見込まれる分野を選定し、その促進策を講じようということのようである。
その成長分野としては、医療、介護、農業、電力・エネルギー、環境などが候補にあがっている。いずれも、民主党政権時代から候補にあがっていたものである。
しかし、これらが成長分野であるということが今一つピンとこない。それは、いずれの分野にも、既得権益を守る分厚い壁があるからだ。掛け声と、予算だけでは、これらの分野が成長分野になるとは思えない。それが、今後、医療、介護、農業、電力・エネルギー、環境が成長して、日本の経済に寄与するだろうと、誰も想像できない理由である。
安倍政権は、どうやって既得権益を守る分厚い壁を取り払い、成長戦略を実現しようとしているのか注視したい。

◆人口減少にどう対処するか?

日本の悲惨な2050年を予想した英誌『エコノミスト』の根拠の第一は、日本の少子高齢化で、経済基盤の低下(生産人口などの減少)である。

同誌によれば、
「日本は相対的に、急速にプレゼンスを失っていく」。
「2010年には、世界経済の5.8パーセントを占めていた日本のGDPは、2030年には、3.4パーセントになり、2050年には、1.9パーセントになる。経済成長のスピードも西ヨーロッパを下回り、今後四十年を通して、1.lから1.2パーセントで推移する。
つまり、日本の世界経済に占める割合は、現在(2010年)の5.8パーセントから、38年後(2050年)には、1.9パーセントに急落するというのである。一枚看板の経済の
衰退は、まさに日本の没落を意味する。

このような経済基盤の沈下のもとで、経済成長を図るのは至難のことである。どんな政策も、一時的なものに終わってしまうだろう。

◆少子化対策へ「3本の矢」 

この経済基盤の沈下に対策するために、安倍晋三首相は4日午前、首相官邸で森雅子少子化相と会い、少子化対策の推進に向けた「3本の矢」に取り組むよう指示したと報じられた。
少子化対策「3本の矢」として、 
(1)待機児童対策を含めた子育て支援
(2)仕事と家庭の両立支援
(3)結婚、妊娠、出産の手厚い支援策
の3点の徹底するよう求めた。

政府の少子化対策は内閣府の「少子化危機突破タスクフォース(作業部会)」が議論を進めている。5月末をメドに具体案をとりまとめ、6月に策定する「骨太の方針」に盛り込む方針だ。

2013/4/4 12:30 日経新聞電子版より

◆今となっては「手遅れ」の感がある少子化対策

問題は、人口減少、特に生産人口の減少なのだ。日本は、もう人口減少期に突入しており、これから出産・子育てする世代自体が、大幅に減少してしまっている。例え、今後、その世代が二人の子供を育てたところで、日本の人口減少は止まらない。
人口減少の影響は深刻である。
生産人口の減少による経済活動の低下
消費者人口の減少による国内経済の縮小
年金・介護の担い手人口の減少
など、人口減少の影響は危機的レベルにある。

◆なぜ少子化になったのか?

世界人口は増え続けている。中でも後進国は人口爆発状態である。一方、先進国は少子化傾向になっており、中でも日本の少子化が目立つ。

日本では1989年に合計特殊出生率が急落した「1.57ショック」をきっかけに政府は少子化対策に取り組んできた。

 2011年の合計特殊出生率は1.39と前年と同値だった。2005年の1.26を底に上昇傾向にあったが横這いに転じた格好である。
 2010年の上昇について、厚労省は「晩婚化が進んだ30代後半の団塊ジュニアを中心に出生数が増加したことや、第2子以上の出産が増えたためと分析している。」(産経新聞2011.6.1)
 2008年までの「合計特殊出生率の上昇について厚労省は、長期低落傾向にあった20代の数値が下げ止まったことを要因ととらえ、理由の一つに昨年秋までの景気回復を挙げる。同省は「(昨年秋以降の)景気悪化の影響は注意深く見守りたい」としている。」(毎日新聞2009.6.3)
 2007年の合計特殊出生率は1.34と2年連続の上昇となった。上昇の理由として厚生労働省は「団塊ジュニア世代を中心とした30代後半の”駆け込み出産”が要因のひとつと見ている。」(東京新聞2008.6.5)

◆少子化には、もっと根本的な理由がある

景気悪化の影響や晩婚化を少子化の理由とするのは、近視眼的であろう。
資本主義の進展が少子化を招くと予想していたのが、シュンペーターであった。
彼はイノベーションの概念の提唱者であり、今日、そのイノベーション理論が現実となり、一段と注目度が高まっている。そのシュュンペーターは、その著『資本主義社会主義民主主義(上)』で、少子化をを予想していた。
その論点は、
資本主義の進展で、一個人の功利の追求に明け暮れる「生活のために生きる人々」を生みだし、彼らが「子供がもはや経済的資産ではない」という考え方を持つ」という。
この個人の功利の追求が少子化を生み出すと予測していた。
現代の先進国の少子化は、まさにシュンペーターの予測が実現したといえよう。口少に対策はあるか

◆2050年の日本の人口は、

国交省の国土審議会長期展望委員会が2011年2月21日、「国土の長期展望」を公表した

日本の総人口は2050年には、約25%の3,300万人減少し、9,515万人となる。そして、高齢化率は20%から40%へと上昇する。生産年齢人口は、8,442万人(66.1%)から4,930万人(51.8%)と大幅に低下する。

もし、この予測のまま、人口が減少し、高齢化が進み、そして生産人口が減れば、日本の国力は明らかに低下し、財政破綻など様々な問題が生じ、日本の未来はない。

少子化対策はもちろんだが、これからの未来の日本に政府や企業、そして私たちは何をしていかなければならないのか。

参考 「国土の長期展望」中間とりまとめ. 国土交通省
平成23年2月21日国土審議会政策部会長期展望委員会

◆この経済基盤崩壊ともいえる時代に、経済成長する手はあるのか

人口減少という経済基盤崩壊を阻止しなければ、日本の再生はないといえる。
そのための対策は、

1.生産人口を確保するための対策

移民政策
入移民で労働力確保 出移民で老後生活者の減少

養子縁組促進
欧米並みに養子の増加を図る

一世代功利主義から脱却する意識改革
出生率の上昇図る

この三つだろう。

2.人口減少の影響を上回るイノベーションを起こす

これはシュンペーター経済学への挑戦といえる。

« 日本の悲惨な近未来予測『エコノミスト』に反論できるか? | トップページ | 「三本の矢」の成否は失われた20年の総括にかかっている! »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1107508/51214949

この記事へのトラックバック一覧です: アベノミックスに立ちはだかる人口減少の重圧:

« 日本の悲惨な近未来予測『エコノミスト』に反論できるか? | トップページ | 「三本の矢」の成否は失われた20年の総括にかかっている! »