無料ブログはココログ

« 成長を止め右肩下がりの転落期に入ったのか/どうする日本(その十二) | トップページ | イノベーション亡国に向かう日本/どうする日本(その十四) »

2012年11月19日 (月)

イノベーション亡国に向かう日本/どうする日本(その十三)

◆経済成長のキーワードがイノベーションのはずだが

え!イノベーションといったら経済成長のキーワードじゃないか。それがなんで亡国論になるんだ!

イノベーションに長年携わってきた筆者は、もちろん、経済を成長させ、豊で便利な世の中をつくるのがイノベーションだと信じてきた。そして、いろいろな形でイノベーションの研究会を持ち、またイノベーションの教習を行ってきた。現在は、イノベーション経営研究会の教習テキストの作成をしている。イノベーションと経営、イノベーションと教育、イノベーションの源泉、イノベーションのマネジメントなど、様々な視点でイノベーションのことを書き綴っている。それは、いずれもイノベーションを賛美する内容である。

しかし、このところ、テキストを書きながら、ジレンマを感じる。何かがおかしい、そのジレンマはどんどん強くなっている。

なぜかというと、イノベーションに力を入れてきたはずの先進各国が一向に経済も社会もよくならないように見えるからだ。むしろ、経済は停滞し、格差が増大し、社会は荒廃していくように思える。他方、発展途上の諸国の経済はどんどん成長し、国民の生活水準も急速に向上している。そして、中国、インド、ロシア、ブラジルなどの経済成長のお陰で、先進諸国の経済がどうにか支えられているのだ。
こうした現状を見ると、むしろイノベーション政策を推進するほど、経済も社会も衰退するのではないかという疑念さえ生まれてくる。イノベーション立国には、亡国のジレンマがあるのではないか。

◆『イノベーションのジレンマ』が国家間にもある

米国のイノベーション学者のクリステンセンは、その著書「イノベーションのジレンマ」で、優良といわれた企業が名もない企業のイノベーションにしてやられていく理由を明らかにしてくれた。簡単にいうと、「優良企業が優良であり続けるべき当然の努力が、逆に、他者のイノベーションに打ち負かされる原因を創っている」というものだ。それがイノベーションのジレンマである。

さて、これは企業同士のことだが、筆者は、国家間においても、それとはまた違った意味でイノベーションのジレンマがあるのではないかと考えて研究を進めてきた。
本書は、その研究をもとにして書かれたものである。そして日本の長期に渡る停滞の要因も、イノベーション立国の目論見のジレンマに原因があることを明らかにするものである。イノベーション立国のジレンマに日本が落ち込んでしまっているのだ。このままでは、イノベーション立国のはずが、イノベーション亡国になってしまう。

そこで、次回以降では、ジレンマを解説し、その後に、ジレンマを克服するための新しいイノベーションの在り方を考えたい。

« 成長を止め右肩下がりの転落期に入ったのか/どうする日本(その十二) | トップページ | イノベーション亡国に向かう日本/どうする日本(その十四) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。