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2012年5月20日 (日)

消費税増税でもイノベーションなくして財政再建なし

◆緊縮財政下で揺れる欧州

欧州が揺れている。緊縮財政を迫られた各国で、与党が選挙で敗北している。ギリシャでは、緊縮財政を迫られた与党が敗れたばかりか、その後の組閣ができず、再選挙となった。フランスでは、成長路線の必要性を訴えるオランドが新大統領となった。混沌とした欧州事情に、世界経済は再び動揺している。
こうした欧州事情を見ていると、財政再建の困難性が見えてくる。緊縮財政が景気を悪化させ、それに国民が耐えられないのだ。
これは、財政再建のために増税路線に突き進む日本にも人ごとではない。消費税増税、電気料金値上げと国民の負担が増えてくる。さらに、少子高齢化の中で、今後、消費税のさらなる増税、社会保険料の負担増が必要となろう。国民がどこまで我慢ができるのかが問題だ。
さらに、根本的な問題がある。それは増税だけで財政再建ができるのかということである。国民負担の増加は景気を悪化させる。下手をすると、景気の悪化で税収が減少してしまうことさえ考えられるという。
やはり、財政再建は、増税と緊縮財政だけではうまくいかない。かといって、経済成長路線に転じると、放漫財政に陥りやすくなる。成長路線とのバランスが必要だ。
これからの成長は、過去の高度経済成長とは異なる。国民負担増による景気の悪化を軽減するための成長だ。フランスのオランドが訴える成長路線もそのようなものだろう。財政再建と、経済成長とのバランスが必要なのだ。

◆イノベーションの条件は資金だけではない

経済成長の原動力は、イノベーションである。そのイノベーションを起こすアイデアは、いくら資金をかけたからといって生まれるものではない。過去のイノベーション事例をみると、莫大な資金と人手をかけながら、成功しなかったことが多々ある。有名な青色発光ダイオードは、世界中の有力研究所がなし得ず、20世紀中には不可能とされていたのを、20世紀末に徳島の一企業の研究者中村修二が発明し、日亜化学工業が実用化して世界をアッと言わせた。このようにイノベーションのアイデアは、当然発明すると思われたところで出来ず、予想外の処で、予想外の人物によりなされることがある。イノベーションは、こうすればこうなるという理論はなく、確率過程にあると言われる所以である。ではその確率を高めるにはどうしたらよいのか。やみくもに資金をかけても無駄に終わる。

◆イノベーション路線に敗れた自民党政権

自民党政権時代、成長、成長と唱え、莫大な資金をかけながら、イノベーションはなかなか起こらなかった。その基本政策は、当面の景気は公共事業で支え、やがてイノベーションで本格景気回復するというものであった。しかし、イノベーションにかけた資金は回収できず、財政は悪化するばかりであった。
安部内閣時代のイノベーション促進の戦略会議「イノベーション25」も不発に終わった。
その後誕生した民主党政権下では、成長戦略という言葉を聞くことも少なくなり、消費税増税と社会福祉の話ばかりである。時折聞こえるのは、医療、介護は成長分野だとか、農業もやり方では成長分野だということである。しかし、医療、介護、農業はいずれも、かんじがらめの規制の中にあり、およそイノベーションとはほど遠い状況である。

◆イノベーションの条件

イノベーションの条件は一に人材、二に規制緩和である。まずイノベーションに必要なのは、開拓的アイデアを生み出すイノベーターの育成である。イノベーションは思考力ある人材を育てる「教育に始まり教育に終わる」である。
財政再建下でも、この教育投資は拡充していくことが求められる。イノベーションなくして財政再建なしである。

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