無料ブログはココログ

« 原発事故の放射能汚染を生き抜く力 | トップページ | 福島原発の放射能汚染に救世主 »

2011年5月20日 (金)

菅内閣に山積する難問のブレークスルーを期待

◆浜岡原発停止はブレークスルーの決断

菅総理の浜岡原発停止要請で、原発は停止した。福島原発の惨状を目の当たりにして、企業も菅政権の判断を批判しにくい状況にある。原発不信が高まるなか、国民の多くも菅政権の判断を評価している。

こうした中で日本経団連の米倉弘昌会長は9日、会見で痛烈に批判した。

「電力不足の中、今後30年間で87%の確率で東海地震が起きるとの確率論だけで停止要請したのは唐突感が否めない」と述べ、政府の対応を痛烈に批判した。

さらに、こんなことを語った。「民主党の時代になって、わからないのは、結論だけポロッと出てくると。そして、思考の過程がまったくもう、ブラックボックスになっている。政治の態度を私は疑いたい」(抜粋)http://www.asahi.com/business/update/0509/TKY201105090598.html

◆菅総理の決断はブレークスルー思考の賜物か

「思考の過程がまったくもう、ブラックボックス」との批判は、ブレークスルー思考の結果に対して、現状維持あるいは改善派がよく浴びせる言葉だ。

 我々は、PDCA(plan-do-check-act cycle)という思考過程にあまりに慣らされてきた。それは、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の4段階階を繰り返すことによって、状況を継続的に改善することである。これまでの日本の発展は、このPDCAという改善型思考の習熟によってなされてきた。

だからブレークスルー思考に出会うと、戸惑ってしまうのだ。

PDCAはだれでも理解しやすい。しかし、現在の日本は、このPDCAだけではやっていけなくなっていることは明らかだ。

Plan(計画)ができるのは、現状とその延長線上でしかない。だからPDCAから生まれるのは、現状の改善でしかないのだ。

いまの日本は、現状の改善とその延長線上にその未来はないのではないか。もしそれがあるのなら、失われた20年なんてなかったはずだ。PDCAの改善型思考は限界に達したといえよう。

今日、前例、常識、通念、既存のプロセスなどを破るブレークスルー思考が必要になっているのだ。

もし、今回の浜岡原発を、PDCAで順序立て考えたなら、せいぜい定期点検中だった3号機を再稼働させるかどうかのプロセス云々にしかならなかったはずだ。稼働中だった4号機五号機に思考が及ぶはずはなかった。

もし、そんな状況で時間をかけていたら、東海沖地震に対してあまりにリスクが大きすぎた。

菅総理の今回の決断を評価したい。

しかし、日本には、もう手直しでは間に合わなくなっている問題が沢山ある。経済・教育・少子高齢化・格差など社会経済の問題、行政・司法・外交など解決困難な問題山積状態だ。これらの問題はいずれも待ったなしである。個々に対処していたのでは、ブレークスルー思考とて間に合いそうにない。

◆難問山積が意味するのはパラダイム問題だ
これだけ解決困難な問題が積み上がってきたのは、現代のパラダイムが通用しなくなったことの現われといえる。難関を切り開くとして推進されてきた新自由主義も、多くの弊害を生み破綻を見せている。

かのトーマス・クーンが提唱したパダイム・シフトが希求される。

社会全体の価値観を一変するような「パラダイム・シフト」がなければ、乗り越えられない時期がきたのだ。

科学革命の構造 Book 科学革命の構造

著者:トーマス・クーン
販売元:みすず書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

パラダイムとは何か  クーンの科学史革命  (講談社学術文庫 1879) Book パラダイムとは何か クーンの科学史革命 (講談社学術文庫 1879)

著者:野家 啓一
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

« 原発事故の放射能汚染を生き抜く力 | トップページ | 福島原発の放射能汚染に救世主 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事