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2009年7月 9日 (木)

日本人の思考「たこつぼ的」の功罪

●「たこつぼ的」対「俯瞰的」

 アメリカの俯瞰的発想に対して、日本人の発想は「たこつぼ思考」「縦割り思考」なんて卑下する向きがある。そして、イノベーション促進のためには、「とかくたこつぼに安住したがる日本人を、たこつぼから追い出すことだ」、「それが真の解放というものだ」なんて言われる。

◆ここでちょっとまった!

 これまで、日本の成長を支えてきたイノベーションの多くは、「たこつぼ的思考」でなされたものではなかったのか。たこつぼ的であるか、否かに拘わらず、それが日本人の個性から生まれた/個性に合った思考の産物だったはずだ。

 実際に、個々の技術では、日本が多くの分野で優位を占めてきた。問題は、個々の技術を結んで、目的を達成する新しいシステムを考えるという俯瞰的思考に乏しかったのだ。 その結果、個々の技術では勝っていながら、その優位性を活かせなかった。そのため諸外国に遅れをとった事例が非常に多くある。
 例えば、21世紀の大問題に水処理がある。世界規模で水不足が深刻化しており、水処理産業のマーケットは、60~100兆円に達するという。
 この水処理の革命的技術に、逆浸透膜がある。海水も、汚水も、逆浸透膜でろ過することで、真水を容易に得ることができる、
 しかし、世界的にみてその普及は進んでいない。まだ従来の水処理設備が幅をきかしている。それを仕切るのが欧米企業だ。欧米企業は、水処理技術を売るのではなく、俯瞰的に個々の技術を活かしたシステムづくりに強みがあるからだという。

 個々の技術の優位性だけでは産業としての優位性につながらない。

 そうしたことが、日本人の思考がたこつぼ的だからだ、という批判は、あたらない。個々の技術開発では、日本人の個性にあった思考法だとして自信を持つべきだ。むしろ、それをさらに磨き上げるべきだ。
 問題は、俯瞰的思考に劣ることをどう克服するかということだ。実は、才覚的でなく、科学的手法として、俯瞰性を補う方法がある。それを身につければ、鬼に金棒である。その俯瞰的思考を可能とする方法は、別の稿に譲る。

 ここでは、イノベーションにつながるブレークスルーをどうして得たかについて、対照的な日本とアメリカをいくつかのキーワードで示そう。

◆日米の違いをあらわすキーワード
アメリカ――俯瞰性 物事を新しいシステムでとらえ、活用すること――異との遭遇――新規探索傾向――荒野に宝――冒険心――組織より個人能力発揮型

日本――凝り性――艱難辛苦――限界者――細心さ、慎重さ、問題の掘り下げ思考――地下の宝――習得型――調査型――あくなき改良――全員参加型の改善活動

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